「転職エージェントに登録したけど、面談って何をすればいいんだろう」——そう思っている人は、意外と多いはずです。面接じゃないとは分かっていても、何も準備しないで行くのも不安ですよね。
この記事では、転職エージェントの面談前にやっておくべき準備を7つに絞って紹介します。当日の持ち物や服装、面談の流れ、やってはいけないことまでまとめているので、初回面談を控えている人はぜひ参考にしてみてください。
転職エージェントの面談は企業面接とは違う
準備の話に入る前に、まず「面談ってどういう場なのか」を理解しておくと、心の余裕がぐっと変わります。企業との面接をイメージしていると、必要以上に身構えてしまうので要注意です。
面談でやること
転職エージェントとの面談は、キャリアアドバイザーがあなたのことを知るための時間です。これまでの経歴やスキル、転職理由、希望条件などをヒアリングしながら、どんな求人が合いそうかをすり合わせていきます。
一方的に話すのではなく、キャリアアドバイザーからの質問に答えながら双方向で進む形がほとんど。「何を言えば正解か」を考えすぎず、現状をなるべく素直に伝える場だと思っておくとリラックスして臨めます。
また、まだ転職するかどうか決めていない段階でも面談は可能です。「現職を続けながらキャリアを相談したい」という人も普通に受け入れてもらえます。
面談にかかる時間の目安
面談時間は30分〜1時間程度が一般的です。キャリアの方向性がまだ固まっていない場合や、話したいことが多い場合は1時間を超えることもあります。
仕事帰りに面談を入れる人も多いので、前後の予定には少し余裕を持たせておくと安心です。「次の予定があるから急がなきゃ」という状態だと、肝心な話が途中になってしまうこともあります。
面談前に準備するべき7つのこと
「何を準備すればいい?」という疑問への答えは、意外とシンプルです。書類を完璧に整えるより、自分の頭の中を整理しておくことのほうがずっと大事。以下の7つを面談前に考えておくだけで、当日の会話の質がぐっと変わります。
① 転職理由をざっくり言葉にしておく
「なぜ今の会社を辞めたいのか」は、面談で必ず聞かれる質問のひとつです。きれいに言語化できていなくてもOKですが、頭の中に何もない状態だと面談中にうまく話せず、もったいない時間になってしまいます。
正直、「給料が低い」「上司が合わない」「仕事が面白くない」といったネガティブな理由だって伝えて問題ありません。キャリアアドバイザーはその理由をもとに「では何を改善したいのか」を一緒に深掘りしてくれます。転職エージェントに話したことがそのまま企業に伝わるわけではないので、本音で話すほうが自分のためになります。
「うまく言葉にできない」という場合は、今の職場の何が嫌なのかをメモに書き出すだけでも十分です。それを見せながら話すことも普通にできます。
② 転職先に求める条件を2〜3つ絞る
「年収を上げたい」「リモートワークがしたい」「土日祝が休みがいい」など、転職先に求める条件を2〜3つ考えておきましょう。全部を満たす求人は少ないですが、何を優先したいかが分かると、キャリアアドバイザーが求人を探しやすくなります。
条件が多すぎると選択肢が狭まってしまうこともあります。「全部は無理でも、これだけは外せない」というポイントを1〜2つに絞る練習をしておくと、面談でのすり合わせがスムーズです。まだ絞れていない場合は、その状態を正直に伝えるだけでOKです。
③ 希望の転職時期を決めておく
「いつまでに転職したいか」もよく聞かれる質問です。「3ヶ月以内」「半年以内」「条件が合えばすぐにでも」など、大まかなイメージを持っておきましょう。
転職時期によって、キャリアアドバイザーが提案してくれる求人のペースや活動スケジュールが変わります。まだ転職時期を決めていない場合も「未定」と伝えれば問題ありません。その上でどう進めるかを一緒に考えてもらえます。
④ これまでの経歴・スキルを整理する
「どんな仕事をどのくらいやってきたか」を頭の中で整理しておきましょう。職務経歴書を書くほど細かくなくていいので、「○○業界で○年、主に△△の仕事をしていた」というレベルで把握しておくだけでも十分です。
ポイントは、規模感が伝わるように話すことです。「営業をしていた」より「新規開拓営業を3年、1ヶ月に○件のアポを取っていた」のように、具体的な数字や状況が入ると、キャリアアドバイザーがあなたの強みを把握しやすくなります。とはいえ、数字が思い出せない部分は「はっきり覚えていないけど……」と正直に伝えれば大丈夫です。
クリエイティブ職やエンジニアの場合は、ポートフォリオやGitHubのURLなどがあれば、面談前に共有しておくと話がスムーズに進みます。
⑤ 履歴書・職務経歴書を用意しておく
完成していなくても、途中でいいので事前に共有しておくと面談がスムーズになります。キャリアアドバイザーが事前に内容を確認できるため、面談当日は細かい確認作業を省いて、もっと踏み込んだ話ができるからです。
「まだ書き方が分からない」という場合は、dodaやリクルートエージェントなど多くのエージェントが無料のテンプレートや作成ツールを提供しています。完璧に仕上げようとせず、まず一通り書いてみることが大切です。どこか書けていない部分があれば、面談でアドバイスをもらえます。
⑥ キャリアアドバイザーへの質問リストをつくる
「面談って何か質問しなきゃいけないの?」と思うかもしれません。義務ではありませんが、せっかくなら聞けることは聞いておくほうが得です。キャリアアドバイザーは転職市場の情報を豊富に持っているプロなので、うまく使わない手はありません。
聞いておくと役立つ質問の例として、以下が挙げられます。
- 自分の経歴は、転職市場でどう評価されますか?
- 希望条件で現実的に狙える年収帯はどのくらいですか?
- 職務経歴書で改善すべき点はありますか?
- 今の転職市場で求人が多い職種はどこですか?
- 担当さんが得意とする業界や職種はどんな分野ですか?
特に「担当者の得意領域を確認する」のはおすすめです。キャリアアドバイザーによって得意な業界や職種は違います。自分の希望と合致しているかを確認しておくと、後々のやりとりがスムーズになります。
⑦ 面談の日時・場所・アクセスを確認する
当たり前のようで、意外と当日バタバタしがちなのが場所の確認です。対面の場合はオフィスの住所とアクセス、オンラインの場合はZoomなどのURLやログイン方法を前日までに確認しておきましょう。
最近はオンライン面談が主流で、dodaやリクルートエージェント・マイナビエージェントなどの大手エージェントはほぼオンライン対応しています。当日に慌ててアプリをインストールする羽目にならないよう、事前にツールの動作確認もしておくと安心です。
面談当日に持っていくもの
「何を持っていけばいいんだろう」という疑問は、実際に面談を経験した人でもよく挙がります。持ち物は多くないので、前日に確認しておくだけで十分です。
筆記用具・メモ帳
面談中はキャリアアドバイザーからのアドバイスや気になった求人情報など、メモしておきたいことが出てきます。スマートフォンのメモ機能でも代用できますが、手書きメモのほうが目に留まりやすく、後から見返しやすいのでおすすめです。
また、スケジュール帳やカレンダーアプリも手元に用意しておくと、面談後の日程調整をその場ですぐに進めることができます。
履歴書・職務経歴書
対面面談の場合、書類を持参するよう求められることがあります。特に指定がなくても、印刷して持参しておくと話の流れで確認しながら話せるので便利です。
オンライン面談の場合は、事前にPDFをメールで送付するか、エージェントのマイページにアップロードしておく形が一般的です。どちらの方法がいいかは、面談前の案内メールに書かれていることが多いので確認してみてください。
ポートフォリオ(職種による)
デザイナー・エンジニア・ライター・動画クリエイターなど、成果物を見せることができる職種の人は、ポートフォリオを準備しておきましょう。URLで共有できる形が一番スムーズです。
「まだポートフォリオを整えていない」という場合は、代表的な実績をPDFにまとめたものでも問題ありません。完璧なものでなくても、キャリアアドバイザーが強みを判断する材料になります。
A4が入るカバン(対面の場合)
対面での面談では、求人票や資料を紙でもらうことがあります。A4書類が折らずに入るカバンを持参しておくと、もらった資料を持ち帰りやすくなります。
バッグのサイズを気にする必要はあまりありませんが、「書類が入らない……」とその場で困ることのないよう、念のため確認しておくと安心です。
オンライン面談の事前チェックリスト
オンライン面談の場合は、当日に環境トラブルが起きやすいので、前日までに以下を確認しておきましょう。
- ZoomやGoogle Meetなどのアプリが使える状態か
- カメラとマイクが正常に動作しているか
- インターネット接続が安定しているか
- 背景に映り込む場所が問題ないか(または背景ぼかしを設定)
- 静かな環境を確保できているか
「音が途切れる」「画面が映らない」といったトラブルは集中力が途切れる原因になります。特に初回面談はお互いの第一印象を作る時間でもあるので、環境面は余裕を持って整えておくのが得策です。
面談の服装はどうする?
「服装ってスーツのほうがいいのかな……」と気にしている人は多いですが、結論から言うとそこまで気を使う必要はありません。面談は採用面接ではないので、好印象を演出するより、話しやすい状態を優先したほうがいいです。
スーツじゃなくてもいい理由
転職エージェントとの面談は、キャリアアドバイザーとの相談の場です。企業の採用担当者が見ているわけではないので、服装で選考に影響が出ることはありません。実際、doda・リクルートエージェント・マイナビエージェントなどの大手エージェントも「服装は私服でも問題ない」としています。
もし服装や面接時の身だしなみについてアドバイスを受けたいなら、あえてスーツで来て「この服装でいいでしょうか?」と聞いてみるのもひとつの方法です。
男性の服装の選び方
スーツが一番無難ではありますが、仕事帰りにそのまま来る人も多いので、ビジネスカジュアルでも全く問題ありません。清潔感があれば、ジャケット+チノパンのようなスタイルで十分です。
Tシャツにジーンズといったラフすぎるコーディネートは避けておくのが無難です。「なんとなくきちんとしている」という印象を保ちつつ、リラックスして話せる服装を選びましょう。
女性の服装の選び方
スーツでも私服でも問題ありませんが、露出が多い服装やカジュアルすぎるものは避けましょう。ブラウス+パンツ、ジャケット+スカートなど、仕事の場にも違和感のないスタイルが適しています。
仕事帰りにそのまま向かう場合は、普段の職場の服装で問題ありません。「いつもと同じ格好で来てください」というスタンスのエージェントがほとんどです。
オンライン面談のときの服装
オンライン面談の場合、カメラに映る上半身だけ整えておけばOKです。「上はジャケット、下はスウェット」という人も実際には多く、それで問題になることはありません。
ただし、カメラをオンにする場合は、髪型や顔まわりの清潔感は気にしておきましょう。画面越しでも印象は伝わります。照明が顔に当たるように位置を調整するだけで、映りがぐっと良くなります。
面談当日の流れ
面談がどんな順番で進むかを知っておくだけで、当日の安心感がまったく違います。基本的にはキャリアアドバイザーが会話をリードしてくれるので、流れに乗っていれば自然と進んでいきます。
① 自己紹介・エージェントの説明
最初にキャリアアドバイザーが自己紹介をして、エージェントのサービス概要を説明してくれます。利用料金は基本的に無料であること、求人紹介の流れ、サポート内容などを確認する時間です。
「なんでこのエージェントを選んだの?」と軽く聞かれることもあります。転職への温度感(すぐ転職したいのか、まずは情報収集したいのか)をここで伝えておくと、その後の面談が自分の状況に合ったペースで進みやすくなります。
② 経歴・スキルのヒアリング
「これまでどんな仕事をしてきたか」をキャリアアドバイザーに伝えます。事前に送付していた履歴書や職務経歴書を見ながら進むことが多く、気になる点をキャリアアドバイザーが質問してくれます。
ここで重要なのは、数字や具体的な状況を交えて話すこと。「営業をしていました」より「法人向け営業を5年、月に10〜15件の新規開拓がメインでした」のほうが、キャリアアドバイザーが求人を選定するときの精度が上がります。
③ 転職理由・希望条件の共有
「なぜ転職を考えているか」と「転職先に何を求めているか」を伝えます。転職理由はポジティブに言い換える必要はなく、正直に話して大丈夫です。
希望条件も遠慮せずに全部出してみましょう。「年収600万以上・フルリモート・土日祝休み・残業20時間以内」などと要望が多くても、まずは全部伝えた上で「現実的には何を優先すると合う求人が多いですか?」と逆に聞いてみると、具体的なアドバイスをもらえます。
④ 方向性のすり合わせ
ヒアリングを踏まえて、キャリアアドバイザーが「あなたにはこういう方向性が合いそう」という見立てを話してくれます。自分が想定していた方向と違う提案をされることもありますが、「なぜそう思うのか」を聞いてみると新しい気づきが得られることがあります。
違和感があれば「自分はこっちの方向がいい」と素直に伝えるのがベストです。このすり合わせがしっかりできると、その後の求人紹介の質が変わります。
⑤ 求人の紹介
面談の後半、またはその後に求人が紹介されます。面談当日に数件紹介してもらえることもありますし、後日メールで届くパターンもあります。
紹介された求人にピンとこない場合は、「どのあたりが自分に合うと思ったのか」を聞いてみましょう。その答えをもとに「であれば、こういう条件のほうが自分には合いそうです」と伝えると、次の提案が的を射たものになります。
面談でやってはいけないこと
面談はリラックスして臨める場ですが、いくつかやってしまいがちな失敗があります。知っておくだけで回避できることなので、サラッと確認しておきましょう。
経歴・年収を盛る
「少しくらい盛っても……」と思いたくなる気持ちは分かりますが、これは後でトラブルになります。経歴や年収を実際と異なる形で伝えると、その前提で求人が選ばれてしまいます。
結果として、スキルと求人のミスマッチが起きたり、入社後に「話と違う」という状況になったりすることも。正確な情報を伝えるほうが、自分に合った求人に出会える可能性が高まります。気まずい経歴や低い年収があっても、キャリアアドバイザーはそれを踏まえた上でどうアピールするかを一緒に考えてくれます。
不満だけを話し続ける
転職理由として現職への不満を話すこと自体は問題ありません。ただ、不満の話だけで面談時間の大半が使われてしまうと、「では何を実現したいか」という話に移れなくなります。
「今の会社の何が嫌か」を伝えた後、「だから転職で何を変えたいか」をセットで話すと、キャリアアドバイザーも支援の方向性を定めやすくなります。まとまっていない場合は「うまく言葉にできないのですが……」と前置きして話し始めれば大丈夫です。
無断でキャンセルする
急な仕事や体調不良で面談に行けなくなること自体は仕方ありません。ただ、無断でキャンセルするのはNGです。
キャリアアドバイザーも面談に向けて準備をしているので、分かった時点ですぐに連絡を入れましょう。早めに連絡を入れるほど、日程の再調整がスムーズになります。転職活動はキャリアアドバイザーとの信頼関係があってこそ充実したサポートが受けられます。小さな誠実さが、後々の関係の質に影響します。
面談後にやるべきこと
面談が終わったら終わり、ではありません。面談直後のちょっとした行動が、その後の転職活動のスピードに影響します。
当日〜翌日にお礼メールを送る
面談のお礼メールは、必須ではありませんが送っておくと印象が良くなります。内容はシンプルで構いません。「本日は面談の時間をいただきありがとうございました」という一文に、特に印象に残ったことや確認したい点を添えるだけで十分です。
お礼メールは当日中か翌日の午前中までに送るのがベストです。タイミングが遅くなるほど印象が薄れますし、「しっかりした人だな」という感覚を持ってもらうだけで、その後の連絡が丁寧になることも珍しくありません。
紹介された求人を早めに確認する
面談後に届いた求人はできるだけ早めに確認しましょう。求人には掲載期間があり、気になった求人がすぐに締め切られることも珍しくないからです。
気になった求人・気にならなかった求人どちらについても、「なぜそう感じたか」をキャリアアドバイザーにフィードバックすると、次の提案の精度が上がります。「条件はいいけど業界が違う」「社風が自分に合わなさそう」といった感想も立派なフィードバックです。
担当者が合わないと感じたら変更を依頼する
面談を終えて「なんか話しにくかった」「提案が的外れだった」と感じた場合は、担当者の変更をお願いできます。これはエージェントにとって普通のことなので、遠慮する必要はありません。
変更を依頼する際は、「転職支援の相性を考えて、担当者を変更していただけますか」と正直に伝えればOKです。担当者との相性は転職活動の質を大きく左右します。合わないと感じたら早めに動くほうが、その後の時間を有効に使えます。
まとめ:面談は「話す練習」より「整理する準備」が大事
転職エージェントの面談で大切なのは、完璧な答えを用意することではありません。転職理由・希望条件・経歴の3つをざっくり整理しておくだけで、面談の中身は大きく変わります。
面接とは違い、正解を問われる場ではないので、うまく言葉にできないことがあっても大丈夫です。キャリアアドバイザーが一緒に整理してくれます。まず一歩踏み出してみることが、転職活動の中で一番の準備になります。

