転職回数が多い人の職務経歴書の書き方 | 4つのNGと見直しポイント10選

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夜、Word で職務経歴書を開いて、会社名を古い順に打ち込んでいく。1枚目が昔の職歴で埋まって、今いちばん見てほしい仕事は2枚目に押し出される。並べるほど会社の多さばかりが目立って、短く辞めた会社をそっと消したくなる。そこで手が止まっている人は少なくないはずです。

転職回数が多い人の職務経歴書で、採用担当者が確かめたいのは「なぜ多いのか」と「また辞めないか」の2点です。古い順に全部並べた書類のままだと、この2つに答える前に会社の数だけが目に入りがちです。回数は変えられませんが、書類の作り方でこの2点に先回りはできます。やることは、よくある4つのNG(古い順に全部並べる/長すぎる/担当業務の羅列/ネガティブな転職理由)を直すことです。

回数そのものが不利なのかは、転職回数は日本と海外でどう受け止め方が違うのかで書いています。この記事は、書類の直し方だけに絞ります。

この記事の要点

  1. 形式は、迷ったら「職務要約+新しい順の略歴+キャリア式」です。直近の仕事が応募先に近いなら、新しい会社から順に書く逆編年体式にします
  2. 長さはA4で1〜2枚程度が一般的です(ハローワークの冊子『職務経歴書の作り方』)。職歴が多くて収まらなければ多くても4枚までにして、5枚以上にはしません。短い職歴も消さずに1〜2行で残します
  3. 転職理由は、書類では「一身上の都合により退職」で足ります。書くなら前向きな一言を添え、前の会社の批判は書かない

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目次

採用担当者が気にするのは「なぜ多いのか」と「また辞めないか」

転職が多い人の職務経歴書で採用担当者が確かめたいのは、「なぜ転職が多かったのか」と「採用してもすぐにまた辞めないか」の2点です。ハローワークの冊子『職務経歴書の作り方』も、転職が多い場合はこの2点を問われると説明しています。

「回数だけで落とされるのでは」と、漠然と怖くなりますよね。ただ、気にされる点が2つに絞れているなら、書類の中に先に答えを置いておけます。

同じ冊子は、転職が多い場合の書き方として、2つのことを勧めています。

  • 転職で能力の幅が広がった、各勤務先で実績をあげたといった、前向きな側面を説明する
  • これからは腰を据えて働き続けたい、という意思を伝える

出典: 厚生労働省職業安定局・都道府県労働局・ハローワーク『職務経歴書の作り方』(令和8年5月発行)p.11「転職が多い場合の記載例」(2026年10月29日参照)。

1つ目が「なぜ多いのか」への答え、2つ目が「また辞めないか」への答えです。書類のどこで、この2つに答えるか。それを決めるのが、この記事の残りの部分です。

採用の理由は「即戦力」と「職場への適応力」

会社が転職者を採った理由を見ると、「経験を活かし即戦力になるから」と並んで、「職場への適応力があるから」が、事務・販売・サービスの仕事ではどれも3割を超えています。経験だけでなく、なじめそうかも見られているということです。

職種 経験を活かし即戦力になるから 職場への適応力があるから
管理的な仕事 60.7% 19.1%
専門的・技術的な仕事 64.1% 27.6%
事務的な仕事 41.5% 36.5%
販売の仕事 52.9% 35.3%
サービスの仕事 41.7% 31.6%

出典: 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表4「転職者を採用した理由」(2026年9月25日公表、2026年10月29日参照)。3つまでの複数回答です。

事務・販売・サービスの仕事では、採用理由のトップは「離職者の補充のため」(事務51.8%、販売54.6%、サービス60.8%)でした。会社の側も、辞めた人の穴を埋める人を探しています。そのうえで、3割を超える会社が「職場への適応力」を見ています。

「また辞めないか」という心配は、この「職場への適応力」の裏返しと考えると分かりやすいです。経験の中身を見せることと、新しい職場になじんで続けられそうだと伝えること。転職が多い人の書類は、この2つが同じ紙の上で見えるかどうかで決まります。

4つのNGは、この2点を書類で見えにくくする

よくある4つのNGは、どれも「なぜ多いのか」「また辞めないか」への答えを、書類の中で見えにくくしてしまいます。

NG 採用側にどう読まれやすいか(一般論として) 直し方 詳しく
古い順に全部並べる 直近の仕事にたどり着く前に、回数の多さが先に目に入る 職歴の中身で形式を選ぶ 次の章
長すぎる どこが強みか分からない。面接での確認点も増える 1〜2枚を基本に、多くても4枚まで。厚さに差をつける 3つ目の章
担当業務の羅列 どんな役割で何をしたか分からず、どの会社でも同じに見える 役割・行動・結果で書く 4つ目の章
ネガティブな転職理由 次の職場でも同じ理由で辞めるのでは、と読まれる 事実一言+前向きな一言 5つ目の章

手元の下書きがどれに当てはまるかは、次の4つで30秒あれば分かります。

  • 1枚目の上半分に、直近の仕事が出てこない(NG1)
  • 全部書いたら、A4で5枚以上になった。または、どの会社も同じ行数で書いている(NG2)
  • 各社の欄が「◯◯を担当」「◯◯を使用」で終わっている(NG3)
  • 退職理由に「人間関係」「残業」などを、そのまま書いている(NG4)

当てはまっても落ち込む必要はありません。どれも経験が足りないせいではなく、並べ方と書き方の問題です。経験はあるのに、2つの疑問に答える位置に置けていないだけです。

もう1つ押さえておきたいのは、書類と面接がつながっていることです。ハローワークの冊子では、面接は提出した職務経歴書の記載内容に基づいて質問されることが多い、と説明しています(同冊子 p.1)。NGを直すことは、そのまま面接の準備にもなります。

回数は変えられませんが、読まれ方は書類で変えられます。

形式は職歴の中身で選ぶ|キャリア式と逆編年体式の使い分け

転職が多い人が古い順(編年体式)で書くと、応募先がいちばん見たい直近の職歴が後ろに回りがちです。直近の仕事が応募先に近いなら新しい順の逆編年体式、職種がばらけているならキャリア式に新しい順の略歴を添える形を選びます。

「キャリア式がいいと聞くけど、自分の職歴でどう書けばいいのか分からない」。書き始める前に、いちばん手が止まりやすいところです。まずは3つの形式の違いを押さえて、そのあと自分の職歴がどのパターンかを決めましょう。

3つの形式の違い

職務経歴書の形式は、大きく3つです。ひとことで言うと、編年体式は「古い会社から順に書く形」、逆編年体式は「新しい会社から順に書く形」、キャリア式は「会社ではなく、仕事の分野ごとにまとめる形」です。

形式 並べ方 向いている職歴 注意点
編年体式 古い職歴から順に 職歴の変遷を分かりやすく見せたい(オーソドックスな形式) 職歴が多いと、直近の仕事が後ろに回る(一般論として)
逆編年体式 新しい職歴から順に 今の仕事が、応募先で求められる経験に合っている 古い職歴の経験は目立ちにくい
キャリア式 会社ではなく、仕事の分野ごとに 職歴が多く、経験を分野に分けられる 時間の流れが分かりにくいので、新しい順の略歴を添える

出典: 並べ方と注意点はハローワーク『職務経歴書の作り方』p.6「記載スタイル」、向いている職歴は同冊子と厚生労働省 マイジョブ・カード「履歴書と職務経歴書の違いとは?」(いずれも2026年10月29日参照)をもとに整理。

正直に書いておくと、ハローワークの冊子は「わからないときは編年体式」としています。編年体式そのものが悪いわけではありません。一方で、同じ冊子が「転職が多い場合の記載例」に使っているのはキャリア式です。マイジョブ・カードも、キャリア式は転職回数が多い人の場合に分かりやすくまとめられる形式だと説明しています。

つまりNGは「編年体式で書くこと」ではなく、「職歴が多いのに、何も考えずに古い順で全部並べること」です。転職が多いなら、迷ったときは編年体式に戻らず、下の表で選んでください。

古い順に全部並べると、どう見えるか。短い例で比べてみます。

Before:古い順に、全社を同じ厚さで並べた略歴(以下は架空の例です。会社名・期間はすべて架空です)

2016年4月〜2018年3月 株式会社◯◯(小売)販売スタッフ 接客、レジ、品出し、在庫管理、売場づくりを担当 2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯(物流)一般事務 データ入力、電話対応、書類整理を担当 2019年1月〜2022年3月 株式会社◯◯(メーカー)営業事務 受発注、請求書作成、在庫照会を担当 2022年4月〜現在 株式会社◯◯(商社)経理 月次決算、経費精算、請求書発行を担当

経理職に応募するのに、経理の話はいちばん最後の1行です。読む側は、販売と短い事務を通り過ぎてから、やっと本題にたどり着きます。

After:新しい順に並べ替え、応募先に近い職歴だけ厚くした略歴(以下は架空の例です)

2022年4月〜現在 株式会社◯◯(商社)経理(正社員)  → この下に、役割・行動・結果を5〜8行で書く 2019年1月〜2022年3月 株式会社◯◯(メーカー)営業事務(正社員)  → 請求書作成など、経理につながる業務を2〜3行で 2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯(物流)一般事務(契約社員) 一身上の都合により退職 2016年4月〜2018年3月 株式会社◯◯(小売)販売スタッフ(正社員)

会社の数は同じです。それでも、最初の数行で「経理の経験がある人」と読めるようになります。

自分の職歴はどれ? 選び方の表

迷ったら、職務要約+新しい順の略歴+キャリア式。これが転職の多い人の基本形です。

自分の職歴がどのパターンかで、選ぶ形式が決まります。例の職歴はすべて架空です。

職歴のパターン 例(架空) 選ぶ形式 書き方の要点
A 直近の仕事が応募先に近い 小売の販売→メーカーの営業事務→商社の経理、で経理職に応募 逆編年体式 直近の経理を最初に厚く。古い職歴は1〜2行
B 職種はばらばらだが、共通する力がある 販売→コールセンター→営業事務、で営業職に応募 キャリア式+新しい順の略歴 「接客・提案」「数字の管理」など分野で束ねる
C 共通点が自分でも見えない 短い在籍が続き、仕事内容もばらばら 先に棚卸し → キャリア式 何を軸にするかを決めてから書く

表を見ても迷うときは、次の2つの質問に順に答えてください。

  1. 直近の仕事は、応募する職種と同じか近いか。「はい」ならパターンA(逆編年体式)
  2. 「いいえ」なら、これまでの経験を2〜3の分野に分けられるか。「はい」ならパターンB、「いいえ」ならパターンC

パターンBの「分野」は、職種名でなくても構いません。販売とコールセンターと営業事務なら、「お客様の要望を聞き取る」「数字や書類を正確に扱う」のように、やってきたことの共通点で束ねます。

パターンCは、書き始める前の準備が要ります。職歴の共通点が自分で見えないまま書くと、キャリア式の「分野」が決まらず、結局古い順の羅列に戻ってしまいがちです。職歴の共通点が見えないときは、先に自己分析で軸を決めるところから始めると、書く手が止まりにくくなります。

一人で考えても軸が決まらないときは、話しながら整理する方法もあります。

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書式見本:キャリア式の骨組み

Word のテンプレートを探す前に、並びだけ決めておくと書きやすくなります。以下は架空の書式見本です。

キャリア式の並び(架空の書式見本)

  1. 職務要約(3〜4行):職歴の軸を1文目に置く
  2. 略歴(新しい順、1社1行):期間・会社名・雇用形態・職種
  3. 職務経歴(分野別):分野ごとに、経験した会社と期間を併記する
  4. 生かせる知識・スキル:資格、使えるソフト(Excel、会計ソフトなど)
  5. 自己PR(2〜3行)

略歴の1行の例:「2024年4月〜現在 株式会社◯◯(正社員)経理」

ポイントは、略歴を職務経歴より前に置くことです。キャリア式は分野ごとにまとめるぶん、いつどこにいたかが見えにくくなります。冒頭近くに新しい順の略歴があれば、時間の流れは1か所で確かめられます。

長すぎる職務経歴書は焦点がぼける|枚数の目安と削り方

一般的な目安は A4で1〜2枚ですが、職歴が多くて収まらないなら3〜4枚までにして、5枚以上にはしません。増やす分は応募先に近い職歴に回し、関係の薄い職歴や短い在籍の会社は1〜2行に縮めます。

「全部書いたら6枚になった。削ると不利になりそうだし、2枚なんてとても無理」。この迷いは、転職が多い人ほど強くなりますよね。

ハローワークの冊子は、職務経歴書を「A4縦サイズの白無地の紙1〜2枚程度」にパソコンで横書きで作るのが一般的だとしています(p.3)。同じページで、内容が多い場合に長々と書くと、読みにくく焦点がぼけて、かえってアピールにつながらないことにもなるので、メリハリをつけるよう勧めています。

ただし冊子の記載例には、1枚に収まらない場合は複数枚でも差し支えない、という注も付いています(p.9〜13)。つまり目的は、枚数の数字を守ることそのものより、読む人が強みを見つけやすいことです。

出典: ハローワーク『職務経歴書の作り方』(令和8年5月発行)p.3、p.9〜13(2026年10月29日参照)。

ここからは、転職する側と採用する側の両方を経験してきた私の感覚です。転職を5回以上重ねた人の職務経歴書は、A4で2枚には収まりません。無理に2枚に詰め込むと、どの会社も1〜2行になり、肝心の直近の仕事まで薄くなりがちです。

そこで私が目安にしているのは3〜4枚です。5枚以上になると、読む側の手が止まります。増やす分は応募先に関係の深い職歴に回し、古い職歴や関係の薄い職歴は社名・期間・一言に縮めます。

2枚に収まらないこと自体を気に病む必要はありません。冊子も複数枚を認めています。気をつけたいのは、枚数が増えた分がどこに使われているかです。

一般論として、採用担当者はたくさんの応募書類を続けて読むので、1通を隅々まで読めるとは限りません。だから、どの職歴で目を止めてほしいかは、書く量の差で見せておくのが近道です。

厚さの配り方は、応募先との関係で決めます。

応募先との関係 書く量の目安 書く中身
深い(応募職種と同じ・近い) 5〜8行 役割・行動・結果(次の章の型)
中くらい(使える力が一部重なる) 2〜3行 担当業務と、応募先で使える点を1つ
薄い・在籍が短い 1〜2行 期間・会社名・職種・業務を一言

削るときに迷ったら、次の判断基準で振り分けると手が速くなります。

  • 残す:応募先の求人票に出てくる言葉(業務名・ソフト名・資格名)と重なる経験
  • 残す:数字で言える結果、任された範囲(人数・件数・担当社数)
  • 縮める:応募先と関係の薄い会社の、細かい担当業務の列挙
  • 縮める:どの会社でも同じように書いている業務(電話対応、来客対応など)
  • 消さない:会社名・在籍期間・職種。短い在籍の会社も含めて全部

短い職歴も消さずに1〜2行で残す

短い在籍の会社も、消さずに書きます。一般論として、消すと履歴書や面接での説明と食い違って、かえって苦しい説明をすることになりやすいからです。

短く辞めた会社があると、そこだけ隠したくなる気持ちは自然です。ただ、短い在籍は珍しい経歴ではありません。厚生労働省の調査では、転職した人の直前の勤め先での勤務期間は、6か月未満が8.2%、6か月以上1年未満が10.8%でした。

出典: 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表9「直前の勤め先の通算勤務期間」(2026年9月25日公表、2026年10月29日参照)。

消すのではなく、縮める。比べると違いがはっきりします。

Before:短い在籍の会社にも、業務を5行書いている(以下は架空の例です)

2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯(物流)一般事務 ・出荷データの入力を担当 ・取引先からの電話対応を担当 ・伝票の整理とファイリングを担当 ・来客対応、備品の発注を担当 ・その他、部内の庶務全般を担当

After:期間・会社名・職種・一言の1行にまとめる(以下は架空の例です)

2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯(物流)一般事務(契約社員) 出荷データの入力と電話対応 一身上の都合により退職

退職理由は、ハローワークの冊子のとおり「一身上の都合により退職」と簡単に書けば足ります(p.7)。浮いた5行ぶんは、応募先に近い職歴に回します。

消さずに縮める。これが短い職歴の扱い方です。

全部入りの控えを1つ作ってから削る

削る作業は、全部を書いた控えを1つ持っておくと楽になります。ハローワークの冊子でも、全部入りの「マスターシート」を作って、応募先ごとに選び直すやり方が紹介されています(p.5)。同じ書類をどの応募先にも使い回すのはよくない、とも書かれています(p.2)。

手順は3つです。

  1. 全部書く:全社の期間・会社名・職種・業務・結果を、長さを気にせず1つのファイルに書き出す(これが控え)
  2. 応募先の求人票と見比べる:求人票の仕事内容・必須条件に重なる職歴に印をつける
  3. コピーして削る:控えをコピーし、印のある職歴を厚く、それ以外を1〜2行に縮める。できれば1〜2枚、多くても4枚までに収める。控えそのものは消さない

応募先が変わったら、手順2からやり直します。同じ職歴でも、営業事務に応募するときと経理に応募するときでは、厚くする場所が入れ替わります。

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担当業務の羅列をやめて、成果を「役割・行動・結果」で書く

「◯◯業務を担当」「◯◯ツールを使用」と並べるだけでは、どんな立場で何をして、どうなったのかが伝わりません。1つの業務を「役割・行動・結果」の3点で書き直すと、在籍が短い会社でも中身が伝わり、文章もかえって短くなります。

「営業じゃないから、数字の成果なんてない」。経理や事務、販売の人ほど、こう感じてしまいがちです。でも、数字にできるものは、営業以外の仕事にもけっこうあります。

ハローワークの冊子は、実績について「可能であれば営業成績などの成果指標の数値を記載」するよう勧めています(p.7)。営業成績はあくまで一例です。

一般論として、担当業務の一覧だけになっている職務経歴書は少なくありません。一覧だと、どの会社の欄も似た文面になり、転職が多い人ほど「どこでも同じことをしていた人」に見えてしまいます。

書き直しの型はシンプルです。

  • 役割:どんな立場で、何を任されていたか(人数・範囲)
  • 行動:自分で考えて、何を変えたか・工夫したか
  • 結果:その結果、何がどれだけ変わったか

経理と販売で、書き直した例を並べます。

経理の例(以下は架空の例です。数字もすべて架空です)

Before:月次決算業務を担当。経費精算、請求書発行を担当。会計ソフトを使用。

After: 【役割】経理担当(3名体制)として月次決算の取りまとめを担当 【行動】請求書発行の確認項目を一覧にして、担当者間で手順を統一 【結果】締め作業を月6営業日から4営業日に短縮

販売の例(以下は架空の例です。数字もすべて架空です)

Before:店舗で接客販売、レジ、在庫管理を担当。

After: 【役割】副店長として新人スタッフ4名の教育を担当 【行動】売れ筋の陳列を週1回見直し、在庫の発注量を調整 【結果】担当カテゴリの在庫ロスを前年より削減

Before は3つの業務を並べているのに、読んだあとに何も残りません。After は1つの業務に絞っていますが、どんな人かが見えます。行数もほとんど変わりません。

例の数字は架空です。自分の書類では、数字を盛らず、事実だけを書いてください。面接で「それはどうやって測ったんですか」と聞かれても、そのまま答えられる数字だけを使います。

職種ごとに、数字にしやすいものをまとめました。

職種 数字にしやすいもの
経理・財務 締めの日数、処理件数、ミスや差し戻しの件数、削減した作業時間
一般事務・営業事務 処理件数、対応した人数・部署数、作業時間、マニュアル化した業務数
販売・接客 売上・客数・客単価の前年比、教育した人数、在庫ロス、表彰
営業 売上・達成率、新規の件数、担当社数
サービス・コールセンター 対応件数、応対品質の評価、クレームの件数、シフト管理の人数

それでも数字が見つからないときは、一般論として「誰に・何を任されたか(範囲)」と「何を変えたか(工夫)」を書けば、役割は伝わります。

数字がない場合の例(以下は架空の例です)

Before:営業事務として受発注業務を担当。

After:営業担当5名の受発注を1人で担当。よく来る問い合わせと回答を一覧にまとめ、新しく入った事務スタッフの引き継ぎ資料として使われるようにした。

「一覧にまとめた」「引き継ぎに使われた」は、数字ではありませんが立派な結果です。

短い在籍の会社ほど、1行でも結果を書いたほうが得です。在籍が短くても「そこで何かを残した人」と読めれば、2つ目の疑問「また辞めないか」への見え方も変わってきます。

転職理由はネガティブなまま書かない|事実一言+前向きな一言の型

職務経歴書の退職理由は「一身上の都合により退職」と簡潔に書けば足ります。理由を書きたいときは、事実を一言にして前向きな一言を添え、前の会社の批判は書きません。

「本当は人間関係や残業がきつくて辞めた。でも嘘は書きたくない」。この後ろめたさで、退職理由の欄が書けなくなる人もいます。

まず知っておいてほしいのは、本音の理由がネガティブなのは普通だということです。自己都合で辞めた人の理由を見ると、上位はこう並んでいます。

自己都合で辞めた理由(上位7つ) 割合
賃金が低かったから 25.5%
会社の将来に不安を感じたから 25.2%
満足のいく仕事内容でなかったから 24.7%
労働条件(賃金以外)がよくなかったから 23.4%
人間関係がうまくいかなかったから 22.2%
能力・実績が正当に評価されないから 18.9%
いろいろな会社で経験を積みたいから 17.1%

出典: 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表11(2026年9月25日公表、2026年10月29日参照)。3つまでの複数回答で、自己都合で辞めた転職者を100とした割合です。

賃金、会社の将来、仕事内容、労働条件、人間関係が、どれも2割台で並びます。辞めた理由に不満が混じっているのは、珍しいことではありません。

そのうえで、書類での書き方には決まった線があります。ハローワークの冊子は、退職理由を「一身上の都合により退職」「会社都合により退職」のように簡単に書くよう案内しています(p.7)。具体的な理由を伝えたい場合は丁寧に書き、前向きな表現を心がけ、前の会社の批判は厳禁だとしています。

ただ、そこで安心しきるのはまだ早いです。一般論として、理由が毎回「人が合わなかった」だと、次の職場でも同じでは、と読まれやすくなります。これは最初の章の2点目、「また辞めないか」にそのままつながります。

書き方の型:事実一言+前向きな一言

理由の種類で、書き方を分けます。

  • やむを得ない事情(会社都合、契約期間の満了、家族の事情など):事実だけを短く書く。前向きな言い換えは要らない
  • 本音がネガティブな場合:「事実を一言」→「そこから大事にしたいと思ったこと」→「応募先でそれができる理由」の順に考える。書類に書くのは1〜2行で、詳しくは面接で話す

言い換えの例を表にしました。言い換えは、事実を変えるためのものではありません。嘘にせず、辞めた事実の先にある「次に大事にしたいこと」を言葉にするためのものです。

本音 書類での一言(架空の例)
給料が低かった 成果が評価に反映される環境で、経験を伸ばしたいと考え退職
残業が多かった 業務の進め方を見直せる環境で、長く働きたいと考え退職
人間関係が合わなかった チームで連携して進める仕事に携わりたいと考え退職
仕事内容が合わなかった ◯◯の経験を軸に仕事を選び直したいと考え退職

実際の1行に落とすと、こう変わります。

Before(以下は架空の例です)

2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯ 一般事務 上司と合わず、長時間残業にも耐えられず退職

After(以下は架空の例です)

2018年5月〜2018年11月 株式会社◯◯ 一般事務 一身上の都合により退職 (面接で聞かれたら:業務の進め方を見直せる環境で、長く働きたいと考えて退職した、と事実に沿って話す)

Before は事実かもしれません。でも、読む側には前の会社への不満しか残らず、「うちでも何かあれば辞めるのでは」という読まれ方を招きます。書類では簡潔にしておき、言葉を選んで話せる面接に回すほうが安全です。

職歴が多い人は、最後に各社の理由を縦に並べて見てください。チェックするのは1点だけです。

  • 各社の理由の後半(大事にしたいこと)が、毎回同じ方向を向いているか

たとえば「長く働ける環境で」「チームで連携して」「経験を軸に選び直したい」が、応募先の働き方とつながっていれば、転職の多さは「理由のある移動」として読まれやすくなります。方向がばらばらなら、面接で話す前に一度整理しておきましょう。

書類は「一身上の都合により退職」で足ります。言葉にしきれない部分は、書類に無理に書かず、面接に回してください。

書類に書いた理由は、面接でもよく聞かれます。同じ業界の会社に応募する場合は、同業他社に応募する場合の、面接での転職理由の伝え方もあわせて準備しておくと、書類と話がずれにくくなります。

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職務要約で「職歴の軸」を先に伝える

職務経歴書の冒頭に置く職務要約で、複数の職歴に共通する「軸」を1文で示すと、読む人は会社の数より先に筋の通った経歴として読み始めます。自己PRは、その軸を応募先でどう生かすかを2〜3行で書けば十分です。

「会社がこれだけ多いと、まとまりがないと思われそう」。その不安に、いちばん効くのが職務要約です。職務要約は、職務経歴書の一番上に置く3〜4行のあらすじのことです。

軸の見つけ方は3通りあります。前の章の選び方の表と対応させると、自分の軸が決めやすくなります。

軸の束ね方 例(架空) 合いやすいパターン
職種で束ねる 経理・会計に関わる仕事 A(直近の仕事が応募先に近い)
扱ってきたもので束ねる 数字、顧客、商品 B(職種はばらばらだが共通点がある)
身についた力で束ねる 聞き取って提案する力、段取りを組む力 B・C(共通点が見えにくい)

パターンB(販売→コールセンター→営業事務、で営業職に応募)の職務要約を、書き直してみます。

Before:会社を順に並べただけの職務要約(以下は架空の例です)

販売スタッフとして入社後、株式会社◯◯でコールセンター業務、株式会社◯◯で営業事務に従事してまいりました。

After:軸を1文目に置いた職務要約(以下は架空の例です)

販売、コールセンター、営業事務と職種を変えながら、一貫して「お客様の要望を聞き取り、提案につなげる仕事」に携わってきました。販売では新人教育と売場づくり、コールセンターでは問い合わせ対応、営業事務では提案資料づくりと受発注を担当しました。今後は、裏方として支えてきた提案を自分で担う営業職として、腰を据えて経験を生かしたいと考えています。

Before は職歴の数がそのまま目に入ります。After は1文目で軸が分かり、最後の1文で「腰を据えて働きたい」という意思も伝わります。最初の章の2点に、冒頭3〜4行で答えている形です。

自己PRは、この軸を応募先でどう生かすかだけを書きます。

自己PRの例(以下は架空の例です)

相手の話を聞き取り、要点を整理して次の行動につなげることが強みです。営業事務では、営業担当からの依頼を一覧にして優先度を共有し、見積書の作成を前倒しできるようにしました。貴社の営業職でも、お客様の要望を正確に聞き取ることから信頼を積み上げます。

自己PR欄をもっと掘り下げたいときは、学習意欲の伝え方と例文も参考になります。

出す前の見直し10項目と、第三者の添削

書き終えたら、形式・長さ・成果・転職理由の4つのNGが残っていないかを10項目で確かめます。自分で判断しきれない部分は、転職エージェントなど第三者に見てもらうと、書いた本人が気づきにくい点を指摘してもらえます。

直したはずなのに、これで本当に大丈夫か自分では判断できない。書類づくりの最後は、たいていこの不安で止まります。まずは次の10項目に、印をつけてみてください。

  • [ ] 冒頭3〜4行の職務要約に、職歴の軸が1文で書かれている
  • [ ] 略歴が新しい順で、すべての会社が載っている(短い在籍も消していない)
  • [ ] 形式が、選び方の表のパターン(A・B・C)と合っている
  • [ ] A4で1〜2枚程度、職歴が多くても4枚までに収まっている。2枚を超える場合、増えた分は応募先に関係の深い職歴だけ
  • [ ] 関係の薄い職歴は1〜2行になっている
  • [ ] 各社に「役割・行動・結果」が1つ以上ある
  • [ ] 数字は事実だけ。盛っていない
  • [ ] 退職理由は「一身上の都合により退職」か、事実一言+前向きな一言。前の会社の批判がない
  • [ ] 応募先ごとに、厚くする職歴を入れ替えた(使い回していない)
  • [ ] 面接で聞かれたら、書いたことをそのまま説明できる

第三者に添削してもらう

10項目を自分で埋めても、残る迷いがあります。それは「あなたの職歴を知らない人が読んで、筋が通って見えるか」です。これは、書いた本人がいちばん判断しにくいところです。

自分で直せること 第三者に見てもらうと早いこと
略歴を新しい順に並べ替える 応募先ごとに、どの職歴を厚くするか
各社を役割・行動・結果で書き直す 職歴の軸が、他人から見ても筋が通っているか
退職理由を型に当てはめる 転職が多い理由を、面接でどう話すか
枚数をA4で4枚まで(できれば1〜2枚)に収める 書いた成果が、応募先に響く書き方になっているか

相談先として、転職エージェントなど民間の職業紹介を使う人は増えています。厚生労働省の調査では、転職した人のうち民間の職業紹介機関を使った人は20.9%で、令和2年調査の14.8%から増えました(複数回答。求人サイト等は45.1%、ハローワーク等の公的機関は29.6%)。

出典: 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」表12「転職活動の方法」(2026年9月25日公表、2026年10月29日参照)。

ハローワークの窓口でも書き方の基本は聞けます。ただ、応募先ごとの厚さの配り方や、転職が多い理由の話し方まで一緒に詰めたいなら、転職エージェントの書類添削が向いています。職歴が多い人ほど、どこを削りどこを厚くするかの判断が難しいので、書類の段階でプロに見てもらうのがおすすめです。

転職エージェントを使うと、書類選考の結果はどう変わるのかは、別の記事で詳しくまとめています。

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  • 自分で直したが、これで出していいか判断できない
  • 応募先ごとにどの職歴を厚くするか相談したい
  • 面接で転職の理由を聞かれたときの答え方も準備したい

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よくある質問

転職回数が多い人の職務経歴書について、よく検索されている疑問を5つまとめました。

転職回数は何回から「多い」と見られますか

何回から多いかは企業ごとに基準が違い、公的に決まった数字はありません。書類で見られるのは回数そのものより、「なぜ多いのか」「また辞めないか」への答えです。ハローワークの冊子でも、転職が多い場合はこの2点を問われると説明しています。

短期間で辞めた会社も職務経歴書に書かないといけませんか

書きます。一般論として、消すと履歴書や面接での説明と食い違って、かえって苦しい説明をすることになりやすいからです。期間・会社名・職種・業務の一言を1〜2行で書けば足り、退職理由は「一身上の都合により退職」で構いません。厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、直前の勤め先での勤務期間が6か月未満の転職者は8.2%、6か月以上1年未満は10.8%です。短い在籍は珍しい経歴ではありません。

職務経歴書は何枚までにすればいいですか

ハローワークの冊子『職務経歴書の作り方』では、A4縦1〜2枚程度で作るのが一般的とされています。1枚に収まらなければ複数枚でも差し支えないとする一方で、長々と書くと焦点がぼけるとも注意しています。職歴が多くて2枚に収まらない場合、私の感覚では3〜4枚が目安で、5枚以上になると読む側の手が止まります。増やす分は応募先に関係の深い職歴に寄せて、強みを見つけやすくすることが大切です。

職務経歴書に転職理由(退職理由)は書くべきですか

書類では「一身上の都合により退職」など簡単な書き方で足ります。具体的に書く場合は前向きな表現にし、前の会社の批判は書きません。書類に書いた理由は面接で詳しく聞かれることが多いので、口頭で話せるように準備しておきます。

キャリア式と逆編年体式は、どちらで書けばいいですか

直近の仕事が応募先に近いなら、新しい会社から順に書く逆編年体式が向いています。職種がばらけていて、経験を分野で束ねられるなら、キャリア式に新しい順の略歴を添えます。迷ったら「職務要約+新しい順の略歴+キャリア式」を基本形にしてください。

まとめ

転職回数が多い人の職務経歴書は、回数ではなく作り方で読まれ方が変わります。職歴の中身で形式を選び、成果は役割・行動・結果で、転職理由は事実一言+前向きな一言で書きます。長さはA4で1〜2枚程度、多くても4枚までに収めて、厚さに差をつけます。

全部を一晩で直さなくても大丈夫です。今夜やることは、この3つだけです。

  1. 略歴を、新しい順に並べ替える
  2. 選び方の表で、自分のパターン(A・B・C)を決める
  3. 応募先にいちばん関係の深い職歴を1つ、役割・行動・結果で書き直す

ここまでできれば、会社の数より先に、筋の通った経歴として読んでもらえる書類に近づきます。回数を聞かれて身構える面接から、これまでの経験をどう生かすかを話す面接に変えていけます。迷うところが残ったら、出す前に一度、第三者に見てもらってください。

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出典

  • 厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」(2026年9月25日公表、2026年10月29日参照) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/6-18c-r07-gaikyo.pdf
  • 厚生労働省職業安定局・都道府県労働局・ハローワーク「職務経歴書の作り方」(令和8年5月発行、2026年10月29日参照) https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/syokurekisyo_pamphlet.pdf
  • 厚生労働省 マイジョブ・カード「履歴書と職務経歴書の違いとは?」(2026年10月29日参照) https://www.job-card.mhlw.go.jp/column/employed/cv-resume
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